手が持っている情報(bào)だけで判斷される。その中で、いい情報(bào)の占める割合が多ければ「いい人だ」となる。
あなたが「優(yōu)しい人」で1 0 年間怒ったことがなかったとしても、1 0 年ぶりに怒ったとき、たまたまでくわした初対面の相手にとっては、それが1 00 %だ。あなたを「恐い人」だと思う。
自分にふさわしい「メディア力」を相手の中に刻むために、ちょっと「情報(bào)占有率」を意識(shí)してみるといい。コミュニケーションでは、出會(huì)いからはじまって、相手から見たあなたの「メディア力」が決まるまでの間が肝心だ。つまり、初めの方が慎重さがいる。ここで、かっこつけるのでもなく、でも、あなた以下にもならず、
等身大の(注1)あなたの良さが伝わるのが理想だ。
いつも質(zhì)の高い仕事をしているなら、はじめての仕事先に対して、決していつもの質(zhì)を
落としてはいけない。ふだん靜かな人なら、初対面の相手にも、奇をてらったり(注2)せず、普段どおり靜かにしていればいい。自分にうそのないふるまいをする、ということは、初対面の相手にこそ大切だ。
さて、ここで問題なのは、ふだんとても穏やかなあなたが、その日はたまたま嫌なことが重なり、攻撃的になっていると言う場(chǎng)合だ。自分にうそのないということで、相手にきついことを言ってしまったらどうだろう。あなたにとっては、年に1回の、「たまたま不機(jī)嫌な日」でも、相手にとっては、あなたに関する情報(bào)の100%になる。
初対面の相手、まだ付き合いの淺い相手には、すこし慎重になって考えてほしい。
何だ、自分にうそのないふるまいか?自分の正直な姿を伝えるとはどういうことか?
日ごろ9 9 %穏やかなあなたなら、1%の異常よりも、いつもの穏やかさを伝えるほうが、結(jié)局は、正直な姿を伝えている。相手の中に、あなたの実像に近い「メディア力」が形成されるからだ。初対面の相手にこそ、平常心であること、普段どおりにやることが大切だ。
(山田ズーニー『あなたの話はなぜ「通じない」のか』による)
(注1)等身大の:誇張のない
(注2)奇をてらう:変わったことをして、他人の気をひこうとする
66 筆者によれば、上司にとって論田くんのミスの「情報(bào)占有率」が上がるのはどのような場(chǎng)合か。
1 付き合いの長(zhǎng)い上司との関係の中で、論田くんがミスを1 回した場(chǎng)合。
2 付き合いの長(zhǎng)い上司との関係の中で、論田くんがミスを3 回した場(chǎng)合。
3付き合いの短い上司との関係の中で、論田くんがミスを1 回した場(chǎng)合。
4付き合いの短い上司との関係の中で、論田くんがミスを3 回した場(chǎng)合。
67 自分にうそのないふるまいとはどのようなものか。
1その時(shí)々のすなおな気持ちを表すこと。2いつも正直に自分の考えを伝えること。
3いつもどおりの姿を見せること。4うそをつかず正直に話すこと。